irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

阿部智里『空棺の烏』またしても最高の展開にワクワクする

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

八咫烏シリーズ4作目。

宮廷ものから始まった物語かと思いきや、2作目から毎回趣向を変えて、それでいて毎作最高に面白い。

今作はこれまでの主要人物でもある雪哉が武官養成学校で寮生活をしながら立場の異なる少年や先生と対立し、仲間ができ、徐々に成長していく。
このまま学園ものが続くかと思いきや、後半は事件という転調があり、仕掛けがあり、最後にはとにかく熱い展開が待っている。

少年の成長譚は、どちらかというと男性が好きな部類だと思っていたが、おそらくこのシリーズは女性も楽しめて、性別なんて関係なくワクワクする物語なのだと思う。

どこからどこまで意図して書いているのやら、この作者は物語を紡ぐ天才だ。

空棺の烏 (文春文庫) [ 阿部 智里 ]

価格:756円
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