irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

森見登美彦『夜行』不穏な夜行列車の旅をどうぞ

夜行 (小学館文庫)

夜行 (小学館文庫)

英会話スクールの友人たちと鞍馬の火祭へ出かけるところから物語が始まる。

10年前に失踪した友人と謎を呼ぶ銅板画、共通する不思議な体験を彼らは語っていく。作者が夜行列車に乗っているような気持ちで読んでほしいと語った物語は、不穏な空気感となかなか読み進められない不思議な読みごたえがあった。

森見登美彦自身もこれまでの作品『きつねのはなし』や『宵山万華鏡』などのような不気味な雰囲気を持つ作品を書こうと思って書き始めましたと言うように、どこか不穏。

設定からもっと青春感溢れる感じかと思ったが、百物語のようにも感じた。
やはり森見作品には惑わされる。

夜行 (小学館文庫) [ 森見 登美彦 ]

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