irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

米澤穂信『満願』磨かれ続けた文体に酔いしれる

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

数々の作品をコンスタントに発表し続ける米澤穂信さんの短編集。

6つの話はどれも人間の性(さが)や業を浮き彫りにし、それが読みたいがためにページをめくる。
ミステリーの手法を取り入れたものから、サスペンス調のものやら、ほんとうに多彩な物語を繰り出してくる。

さらに驚くのはその語彙、文体、表現などで、磨かれた文章に完成度の高さが胸を打つ。

テレビドラマ化され、これからの日本を代表する若手ミステリー作家の地位を不動のものとした。

ぜひ、ご堪能あれ。

満願 (新潮文庫) [ 米澤 穂信 ]

価格:723円
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感想(10件)