irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』死んだのは誰だ?生きてるのは誰だ?

白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)作者: 小野不由美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/10/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見る日本で最も待ちわびていた人が多い作品なのではないかと思う。ジャパンファンタジーの最高峰の物語。1巻に…

小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』ファンタジー小説の金字塔

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)作者: 小野不由美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/10/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見る18年ぶりの新作。作家のなかでも多くのファンを有する十二国記だが、期待を裏切らない戴国の物語最終章に本…

森見登美彦『夜行』不穏な夜行列車の旅をどうぞ

夜行 (小学館文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2019/10/04メディア: 文庫この商品を含むブログを見る英会話スクールの友人たちと鞍馬の火祭へ出かけるところから物語が始まる。10年前に失踪した友人と謎を呼ぶ銅板画、共通する不思議な…

川上弘美『パレード』センセイの鞄から続く物語

パレード (新潮文庫)作者: 川上弘美,吉富貴子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/09/28メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (25件) を見る谷崎潤一郎賞の『センセイの鞄』の二人のある一日が描かれたボーナストラック的な一冊。「昔の話をし…

辻村深月『東京會舘とわたし 下巻』東京會舘へ行きたい

東京會舘とわたし 下 新館 (文春文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/09/03メディア: 文庫この商品を含むブログを見る辻村深月は物事に意味を見いだすことに長けた作家だと思っている。今作、『東京會舘とわたし』では戦前から脈々と…

道尾秀介『月の恋人』がっつり直球恋愛小説

月の恋人: ―Moon Lovers (新潮文庫)作者: 道尾秀介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/02/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る道尾秀介がテレビドラマのために書き下ろした小説。まさか道尾秀介がこんなにも直球の小説をかくのかと驚いた…

川村元気『世界から猫が消えたなら』大切なものはなくなって初めて気づく

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)作者: 川村元気出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/09/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (28件) を見る川村元気原作の小説で、映画化もされて有名な作品。川村元気といえば、映画プロデュースのヒットメーカーだ…

辻村深月『水底フェスタ』黒辻村を堪能できる

水底フェスタ (文春文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/08/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る辻村作品はよく黒辻村と白辻村とに分けられることがある。 おそらく感動できてとてもきれいな物語とドロドロの関係性を…