irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

川村元気『四月になれば彼女は』昔の恋を思い出してほしい

四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

『天気の子』『君の名は』の新海誠監督の映画をプロデュースする川村元気さんの書きおろし小説。

川村元気さんの作品はどれもじんわりと温かい。
今回も過去と現在が織り混ざり、むずがゆい青春から現実まであって、大人になった(もしくは大人になりきれていない)僕たちにはとても響く物語だと思う。

昔の恋と今の恋と大切にしたいと思えるのは、こういった物語に触れることで思い出すことができるからで、愛することを面倒になってはいけないと再認識させられる。

今回、魅力的な脇役登場人物が出てくるのもいい。

ぜひ、恋する心を、どこかに置いてきてしまった大人にこそ読んでほしい。