irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

道尾秀介『いけない』いったい誰が死んだのか?

いけない

いけない

4章からなる連作小説で、それぞれの章の最後に写真があり、その写真で真相が読み取れる作りになっている。

ベースとなる物語はある街で起きた殺人事件から派生し、立場や状況の異なる各話の登場人物が最後に繋がりを持つ。

この街で何が起きているのか。
「この街の平和を信じてはいけない」と最終話で銘打ってあるのはどういうことなのか。

読み進めるうちに少しずつ全体像が見え、読み出すと止まらない力がある。

そして、読み終われば必ず自分の考えの答え合わせがしたくなり、書評を検索すること間違いなしで、誰かに話したくなる一冊だ。

これぞ、読書の楽しみ。
ぜひ、長い夜に読んでもらいたい。

いけない [ 道尾 秀介 ]

価格:1,620円
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感想(8件)