irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

道尾秀介『光』少年時代の冒険は永遠

光 (光文社文庫)

光 (光文社文庫)

ある片田舎の町で暮らす少年たちの物語。
さよならをしなければいけない友達がいて、町にはいくつかの謎があって、と、郷愁を感じる。

道尾秀介作品のこれまでも、とにかく小学生くらいの男の子がよく登場する。
道尾秀介さんのドキュメンタリーで子供の気持ちをずっと考えていて、ようやく分かったんだというシーンを見たことがあるが、とにかく登場人物の気持ちを考えに考えて物語に投影させている。

小さな町の事件は少年たちにとっては大切な思い出で、少年時代から連なるラストはとても爽やかだ。あの頃、たくさんの冒険心があった人もなかった人もいっしょに過ごしているかのように感じられる。

光 (光文社文庫) [ 道尾秀介 ]

価格:756円
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