irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

梨木香歩『雪と珊瑚と』食の彩りと過酷なシングルマザー

雪と珊瑚と (角川文庫)

雪と珊瑚と (角川文庫)

梨木香歩さんはとても自然味のある方だと思う。

西の魔女が死んだ』は今でも読み継がれる名作であり、それ以外にも『裏庭』や『家守綺譚』など個人的にはちょっと難解な作品も出していて、おそらく自然を感じることに優れている作家だと思っている。

『雪と珊瑚と』ではシングルマザーの珊瑚が赤ちゃんの雪を、近所のおばあちゃんに預けるところからはじまる。シングルマザーとして働くための開業するのだが、、。

食が注目される作品だが、子供との関わりも主題に挙がる。暗い部屋に雪を置いてきぼりにするシーンがあるのだが、子を持つ方ならゾッとするほどリアリティがあると思う。

心に残る本だと思う。


雪と珊瑚と (角川文庫) [ 梨木香歩 ]

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