irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

川村元気『億男』ある男のお金をめぐるロードムービー

億男 (文春文庫)

億男 (文春文庫)

突如として手にした3億円。
どのように扱えば良いか分からず、ネットビジネスで成功して巨万の富を得た友人に聞きに行くが、友人と手にした3億円が消えてしまい、、と物語は進む。

ストーリーとしては一男のロードムービーで、着地を楽しみに読むことができる。お金とは何か、一男のたどり着いた先にあったものは、友人はお金について何を思ったのか。

文庫版は高橋一生の解説があり、これがまた良いので、更なるプラス評価。

川村元気さんは淡々と物語が進むが、所々でとても刺さる言葉を入れてくる作風だ。
映画のヒットプロデューサーらしい、ちゃんと世の中が興味あることを時に印象的に、時に叙情的に描く。

ぜひ、お金とは何かを、一男と考えてほしい。

億男 (文春文庫) [ 川村 元気 ]

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感想(7件)