irodori_book’s diary

本を読む幸せとは作者の描く登場人物の考えが自分の考えにシンクロして陶酔するような感覚が稀にあること。一人でも多くの人に特別な一冊が見つかればいいと思うので、大切な本の紹介を続けます。

宮部みゆき『過ぎ去りし王国の城』ファンタジーと現実の狭間で

宮部みゆきさんは本当に様々な物語を提示してくれる。社会派小説からファンタジーまで幅広い。

本作はそれぞれの理由で生きづらさを感じている登場人物たちが、古城の絵の中に入れるという体験を通して謎を解いていく物語。

なぜ絵に入れるの?
あの子は誰?

まず何より表紙の良さからついつい手にしてしまうことで、所謂ジャケ買いがあるのではないかと感じた。数多ある本から手に取ってもらうだけでも大変なことで、宮部みゆきというネームバリューに更にプラスされた表紙イラストで、期待感が高まる。

読後感は良いのだが、宮部みゆきのファンタジーな作品が読みたいと思っていると少し違う。
かといって社会派作品を読みたいなと思ったらやっぱり違う。

それでも結局読んでしまうだけの魅力がある。
恐るべし…宮部みゆき

過ぎ去りし王国の城 (角川文庫) [ 宮部 みゆき ]

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